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右の狐は両眼を両手で覆い隠し、左の狐は両耳を両手で覆い隠し、真ん中の狐は口を両手で覆い隠していた。
あれ?これ……どこかで見たことあるような?
俺は記憶を探り、思い出してポンと手を叩く。
「猿だ!こんな猿がいましたよね?【見ざる、聞かざる、言わざる】……て言う名の」
「ああ、でもこれは【狐眼・狐耳・狐口】と言う【黒稲荷村】(クロイナリムラ)の象徴らしい」
「黒稲荷村……?」
聞いたことがない地名だ。
首を傾げる俺に、裏面に記された住所を九は指し示す。
そこには、【黒稲荷村】と記されていた。
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