FILE.2【黒稲荷村殺人事件1】

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 凛と澄んだ綺麗な声が屋上に響く。  その少女に、俺は眼が釘付けになった。  無数にフリルがついた黒いレースのカットソー、同色のフリルのチューリップスカートを身に纏い、黒いハーフブーツに、小さな黒のハンドバックを片手に持っている。  風になびく金髪のウェーブがかかったロングへアーに、ぱっちりと開かれた透き通るビー玉のような蒼い瞳。  九に負けないぐらい端整な顔立ちをしている。  とにかく、外国の人形のように可愛い。  年齢は、だいたい十歳ぐらいに見える。 「朱……華??」
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