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ブラック。
九の従兄の【九十九黒兵衛】(ツクモクロベエ)のことだ。
以前起こった連続殺人事件で、俺の親友を容疑者として逮捕した刑事。
言われてみれば、朱華も九十九同様に全身黒づくめの格好をしている。
朱華は、じーっと俺を凝視したまま微笑んだ。
「あなた、もしかして……鶴八七?よろしくね、八七」
「え、俺のこと知っているのか?」
朱華は黙って、コクンと頷く。
何だろう?
この何もかも見透かすような双眸。
九とは違う、異質なかんじの……蒼い瞳。
ミステリアスな雰囲気を醸し出す朱華は、ハンドバッグから一枚の紙を取り出した。
「これ、見て」
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