王子の猫

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王子の家は宮殿なんだと自分に必死で言い聞かせる。 「マリス、いい子にするんだよ」 猫の喉を撫でながら別れを告げる。 「それじゃあこれ食事とか」 そう言って渡されたカバンはかなり重く、必死で足に力を入れる。 「俺、委員の報告行くから。よろしくね春日さん」 爽やかに手を振りながら去っていく雅也くんをギリギリの笑顔で見送り、あたしは寮へと向かった。
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