1062人が本棚に入れています
本棚に追加
その態度に若干腹が立ったが、今はそれどころじゃない。
「あたし猫の言葉がわかるのかな」
「そんなの知らないわよ」
「てゆーか、あんたメスだったんだね」
「えぇ」
「そういえば家の近所で飼われてるタマの言葉は分からなかったなー。ねえ、やっぱりあんたが人間の言葉話せるんじゃない?」
「そんなわけないでしょ。それに私は“あんた”じゃなくて、マリス・ヨハネ・ラマって名前があるの」
「あんたその名前恥ずかしくないの?」
「だから、あんたじゃないって言ってるでしょう」
床に座って前のめりになっていたあたしの腕に爪を立てる。
「痛ー!」
幸い爪は丸くカットされており、血が出ることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!