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「お前本当にわがままだね……。雅也くんの猫じゃなかったら追い出してるよ」
「お前じゃないって言ってるでしょ。そういえばあなた名前は?」
「あたしは美咲」
「美咲……」
「そう、美しく咲くって書いて美咲」
名前を聞くということは、あたしに少しでも興味を持ってくれたのだろう。
そう思うと少し嬉しくなった。
「似合わない名前」
「なっ、あんただってマリス・ヨハネ・ラマっていう変な名前じゃん!」
「変じゃないわよ。私はマリスって名前が似合ってるからいいの」
「あんたなんてねぇ、マヨラで充分よマヨラで」
「なによその変な名前!」
「そっちが先に言ったんでしょ、マヨラ」
爪を立てようとするマヨラを避け、あたしも負けじとマヨラを取り押さえようとする。
こうしてわがままな同居人との最悪な同居生活が始まった。
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