王子の猫

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あたしの唯一の自慢は背が高めの165センチということだけだ。 「美咲、これが美咲にとっての勝負時よ。逃すな、捕らえろ!」 親友である亜衣が目を見開いてあたしに助言する。 見開かれた目は抜け目ないメイクでちょっと怖い。 しかし亜衣の言っていることは正しい。 夏休みが開けたら委員もまた新しく決めるだろう。 そうなったら二度と雅也くんと話す機会がなくなってしまう。 「わかった! あたし頑張る」 右手で拳を作り、意気込む。 そう亜衣に宣言したものの、あたしは一人ひばさみを持ってゴミ捨て場でたたずんでいた。
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