王子の猫

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真っ白な猫は雅也くんをより引き立てるナイスアイテムだ。 しかし。 「なんで猫連れてるの?」 「うちの親が夏休みだからって旅行行っちゃって……、そしたら家には誰もいなくなるからって、こいつの世話押しつけられたんだ」 「世話って、どこでするの?」 寮で飼うことは不可能だし、学校は夜9時になると閉まってしまう。 この学校でペットを飼うなど不可能だ。 「そうなんだよ……。昼はともかく夜も外に出しておくわけにいかないし、俺の部屋は二人部屋だからバレるだろうし。ほんとどうしよ……」 雅也くんは心底困り果て、ため息を漏らす。 亜衣の言葉に意気込んでいたあたしが目を覚ます。 行け、あたし。 今しかない! 「結城くん。あ、あたし……、世話しようか?」 「えっ?」
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