かえる

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僕はただ黙ってそれを見ていた がれきの山には歴史があった その下の死体には未来があった でもお城に閉じこめられたルノアールには何にもなかった 賢者に作られ 命令に従い 永遠に近い命をただ他者のために捧げる 自分の意志とは関係なく でも彼は唯一の自分の意志で動いたこの結果を 後悔し、自分を責めて 死のうとしている …なんで、ここにきて僕の目の前で死ぬつもりなのさ 僕がはっきりと猫の言葉でも伝わるようにこう言うと 力なくルナがこちらを向いて 自嘲気味に笑いながら手を口元に当てる 『誰かに、知ってもらいたかった。 こんな自分勝手な魔法使いが自分のために人を殺し 哀れに死ぬ様を、ね。』
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