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俺の顔に興味をもったのは残念な事に信也だけじゃなくて、その他大勢も俺を見るなり声を掛けてく。 「ほんとスゲー顔。なになに。直、失恋でもしたの?」 「ちっげーって」 「直君、意外に涙モロかったりするの?」 「別にそうゆうわけじゃないけどー」 いつも通りの「俺」で返事をするけど…。 なんか、変。 あれ?具合悪いのかも。 窮屈な感じで、いくら息を吸っても苦しい。 「直、ちょっとおいで」 「う…え??」 信也に腕を引かれるまま、俺は廊下に出た。 引かれると言うよりかは引きずられる様な乱暴な扱い。 文句を言おうと口を開こうとすれば、 「おい、お前達。HR始まるから中に―」 担任の山中先生だ。 出席簿を片手に俺たちとは逆の…黒板側の入口に立っている。 言われたままに中に入ろうとすると、俺の腕を掴んだままの信也の手にまたもや乱暴に廊下側に引き戻された。
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