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「部長に無理やり連れてこられたんでしょ?」
「もー、乱暴だよねぇ。怪我してない?」
「や・・大丈夫だと、思う」
やっとの思いでのろのろと起き上がると、双子はほっとしたように笑った。
ぽよよーんと。
マシュマロが揺れるように。
・・なんだか、和む二人だなぁ。
「無理やりではないぞ。そいつは入部志望なのだ」
「だっ・・だから違うっ!!いや、違いますって」
も~っ。この人、なんでこんなに思い込みが激しいんだ。
「じゃあ、やはり覗きなのか?」
「うわぁあ」
制服の襟に太い腕が伸び、俺は片手だけで上に引き上げられた。
「っく・・」
体が完全に浮いているから、喉のところも自然と締まる。
足だけがもがくように宙を蹴った。
ああ、これほど自分の低身長を呪ったことがあるだろうか・・。
ーパシッ。
それは稲妻のような速さで俺の襟元を掴む腕を払い落とした。
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