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「日向クンはよく分からないやつだけど・・」
「クンずけ気持ち悪っ」
頬杖をつきながら信也はだるそうに言葉を呟く。
「だって、俺が日向って呼び捨てにしたら視線で殺されるわ」
んー。確かに、物凄い顔で睨む日向が目に浮かぶ。
「日向クンは良くわかんないやつだけど、あれは女にモテるね」
「うっそーだ。あんな無愛想男、会話が成り立たねぇだろ」
ありえないと笑う俺に、信也は真面目な顔で「いいや」と首を振った。
「人間顔だって。無愛想も顔が良い男だと、クールになるんだぜ」
「はぁ。クール・・」
日向がクール?
たまにさっむい親父ギャグなら言うけど・・。
なんかピンとこないな。
それに、日向に彼女がいたなんて話聞いたことがない。
親友の俺が知らないんだから、いないに決まってる。
「直ももうちょっと、いやあと二十センチほど身長が高ければねぇ」
「うっせー!!残念そうな顔すんなっ」
身長157センチの俺の禁句に触れた信也に、俺は問答無用で拳を振り上げた。
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