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「大丈夫だよ。怖くないから」
“それ”が急に鳴いたから、わたしはまた飛び上がりそうになった。
お父さんより大きくて低い声。
「ご、ごめん! びっくりさせちゃったか」
“それ”はまた鳴いて、わたしの小さい体をぎゅっと包みこんだ。
「……あったかい」
ぽかぽかな“それ”に包まれて、わたしは少し苦しくて思い切り息を吸い込んだ。
そしたら――
(あ……)
わたしの胸いっぱいに、大好きなおひさまの匂いが広がった。
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