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「うまかったか?」
“それ”の鳴き声でふっと気がついたら、いつの間にか全部飲んじゃってた。
“それ”の分まで飲んじゃったのに、“それ”は全然怒ってないみたい。
おなかがいっぱいになったわたしは、改めてまわりを見回してみた。
土のないつるつるな地面。
変わった芝生。
青くない空におっきな太陽がぴかぴか……
――これが“それ”が鳴いてた『おれのうち』ってところなのか。
「あ、そうだ」
“それ”が急にちっちゃく鳴いて、わたしを見た。
「お前に名前つけないとな」
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