1 疑惑の声

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 まともに話が出来ないままに、2人の関係はこのまま終わってしまうのだろか…。  こんなに切ない気持ちは嫌だ。胸が張り裂けそうに痛いのは、もう、嫌だ。  息が出来ない程苦しくて、涙が止まらない。    「――あああああああっ」   携帯電話を抱きしめたまま、その場に崩れ落ち、なりふり構わず大声で泣いた。  声が枯れるまで、涙が枯れるまで、泣こうと思った。         ふと目が覚めた。  ベッドにもたれる様にして泣いたまま眠ってしまったらしい。  カーテンの隙間からは、わずかに白んだ光が差し込んでいる。  開きっぱなしの携帯電話の待ち受け画面が朝の4時を知らせていた。  目が腫れぼったくて、重い。  こんなに悲しい誕生日の朝を迎えるとは、思ってもいなかった。  もっと、幸せな朝を迎えられると思ってた。 「最悪……」  目を開けなきゃ良かったとさえ思う。  散々泣いたのに、涙が枯れるどころか、また溢れてくる。   悲しい気持ちのまま、ベッドに視線を移すと、そこにはまだ疑う事を知らない自分と浩哉が裸でじゃれあっているような気がした。  ここに独りで居るにはあまりにも辛すぎる…。  重い目をこすりながら、一秒でも早くこの部屋から出ていきたいと思った。  外に出れば、誰かが隙間を埋めてくれる。  茫然とそう考えながら、財布と携帯と部屋の鍵だけを握りしめて、部屋を飛び出した。image=186205039.jpg
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