55人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
何だったんだろうな……アイツ。
よくよく考えてみりゃあ、何で声掛けられたんだ?
「わっかんねぇなぁ」
独りで空を仰ぎ見ながら呟いた。
「浮かない顔してるな……圭介」
突然話しかけられたので少々驚きながらも、俺は声のした方━━
右下を向いた。
そこにいたのは一匹の三毛猫。
突然だが、ここでチョイと雑談。
まだ、話してなかったが俺は猫と会話ができる。
オイ、そこ。
痛い目でみるんじゃない。
別に頭おかしくなってるわけじゃねぇ。
まっ、確実に言えることは
……俺が他の人とは(かなり)違ってるっつうことだ。
とある事件のせいで、孤児院で育った俺は。
人と関わることを極端に避けていた。
同年代の子供と遊んでいるのより、一人きりで、近所の野良猫と一緒に戯れている事の方が多かったのだ。
そんな変わったことをし過ぎたせいか…………。
いつの間にか…猫と喋れるようになっていやがった。
最初のコメントを投稿しよう!