桃から生まれた桃太郎ってどんだけネーミングセンスねぇんだよ

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何だったんだろうな……アイツ。 よくよく考えてみりゃあ、何で声掛けられたんだ? 「わっかんねぇなぁ」 独りで空を仰ぎ見ながら呟いた。 「浮かない顔してるな……圭介」 突然話しかけられたので少々驚きながらも、俺は声のした方━━ 右下を向いた。 そこにいたのは一匹の三毛猫。 突然だが、ここでチョイと雑談。 まだ、話してなかったが俺は猫と会話ができる。 オイ、そこ。 痛い目でみるんじゃない。 別に頭おかしくなってるわけじゃねぇ。 まっ、確実に言えることは ……俺が他の人とは(かなり)違ってるっつうことだ。 とある事件のせいで、孤児院で育った俺は。 人と関わることを極端に避けていた。 同年代の子供と遊んでいるのより、一人きりで、近所の野良猫と一緒に戯れている事の方が多かったのだ。 そんな変わったことをし過ぎたせいか…………。 いつの間にか…猫と喋れるようになっていやがった。
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