桃から生まれた桃太郎ってどんだけネーミングセンスねぇんだよ

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「人の話もロクに聞けないの?サイテー」 突如俺の後ろに灰色の髪を持つ女が現れた。一瞬だけ首を向けたが、すぐさま頭を正面へ。 尚も口に食いもんを運ぶ。 全く動じないで飯を食い続けた。 それは何故か? 理由は極めて単純明快。俺は猫と喋れたりなんなり、不思議なことに慣れすぎたからだ。 しかし、このまま無視し続けてもらちがあかねぇので、コイツから話を聞くことにした。 ……もちろん飯は食ったまま。 「いふぁんふぁ。 ふーかほっからはひってひはほ?」 口いっぱいに白米を頬張りながら、今の俺が出来る精一杯の言語を話す。ちなみに、和訳はこうだ。 《和訳:いたんだ?つーかどっからはいってきたの?》 わかったかな?来週はテキスト八十五ページから入ろうか。 「アンタが私のこと何回も何回も何回も何回も無視しまくるからわざわざ“力”使ってきたのよ!」 「は?何回も……って俺まだ二回しか無視してねぇじゃん」 「三回よ!!インターホンのこと忘れんなっ!!!」 「うっせぇなぁ。 第一マジで誰なんだよ?」 そう言うとコイツはフフンッ……といった後、自慢げに、そして高らかに宣言した。 「私は神よッ!!」 「それで?」 「えっ……それだけ?」
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