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「別にウザいなんて思わないよ。友達作るのが面倒なだけで、他人がウザいってわけでもないし」
「面倒? なんで? 一人はつまんないじゃん」
誰とでも人見知りせず仲良くなれる佐藤には、きっとこの面倒くささがわからないんだろう。
「確かに一人はつまんないけど。友達作るのは面倒だよ。仲良くなっちゃえば別にいいけど、それまでは気を遣わなきゃいけないだろ? こんなこと言ったら嫌われるかな?とか。仲良くなれば多少許せることも、他人以上仲良し未満じゃ、離れる原因にもなるし。そういう気遣いが面倒だから、俺は誰かに自分から話しかけたりしないんだ。ただし、話しかけられたら、こうやってちゃんと答えるけど」
現に、拓哉さんとはたった二日で名前を呼び合う仲になったし……とは、心の中で呟いた。
「じゃあさ、俺には気を遣わなくていいよ? 俺、ずっと山田と仲良くなりたいって思ってたんだ。一人でつまんないかなぁってずっと気になっててさ」
いいだろ?って続けられ、俺はやっぱり断る理由もないから、頷いた。
彼の言葉をどこまで信用していいかはわからないが、気を遣わなくて済む友達が増えるのは素直に嬉しい。
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