山田くんと佐藤くん

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「俺の名前は……」 「知ってるよ。隆夫だろ? 最初聞いたときは笑っちゃったよ」 「子供は名前を選んで生まれてこれないからな。でも、俺はこの名前気に入ってるよ」 昨日まではせいぜい「嫌いじゃない」って程度な名前だったけど。 拓哉さんがああ言ってくれたから、今は好きだと自信持って言える。 「そっか。じゃあ、隆夫って呼ぶよ」 「んじゃ、俺も浩介って呼ぶよ」 何故か浩介の名前を呼んでも照れない。 拓哉さんのときのような恥ずかしさを感じない。 疑問には思ったけど、音楽室に着いてしまったから、考えるのはやめた。 結局俺と浩介は最後に教室に入り、早い者勝ちの席順なため、空いてる席は隣同士だった。 結果的に浩介と授業中も時々話し、さらに仲良くなっていた……。  
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