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「あなたの名前は?」
「木村拓哉」
「はぁ…」
どうやら山田太郎は冗談だとバレたらしい。
木村拓哉なんて言われたら、いくらなんでも疑わしい。
「山田は髪染めないのか?」
「木村さんみたいに髪痛むの嫌なんで」
「ピアスは?」
「せっかく親からもらった体に傷をつけたくないんで」
髪染めてピアスしたら、不良みたいになってしまう。
木村さんは俺を不良の仲間にしたいのか?
「ふ~ん。でも、お前はそのままが一番似合ってるよ」
「はぁ……」
何が言いたいんだろ?
でも、退屈はしない。
変わってる人だとは思うけど、嫌じゃない。
「山田はいつもここにいるのか?」
「いつもいますよ。一年なんで、まだ半年も通ってませんけど」
そう言って雲一つない空を見上げたあと、木村さんを見た。
そして、彼の目も青いことに気づいた。
「俺は二年だ。一年のときからいつもここにいる」
青い目の彼はそう言って、俺を見た。
しっかり見ると、彼の青い目が人工的なそれだとわかる。
「似合わない」
つい、呟いてしまった。
「俺がここにいるとおかしいのか?」
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