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木村拓哉はBIRDSの総長…。
昼休み浩介に言われたことがずっと気になっていた。
拓哉さんはそんな人じゃない、と言いながら、俺は拓哉さんのこと何も知らないでいたことを寂しく思った。
―ジリジリジリジリ♪―
「うるせぇっ!」
朝、久々に目覚まし時計が鳴り響いた。
目覚まし時計より遅く起きるなんて、久々のことだった。
昨日、拓哉さんのことを考えて眠れなかったせいだろう。
いつもより学校に行くのが遅くなってしまった。
珍しく足早に屋上に向かう。
「おはよう、隆夫」
何故か屋上にいたのは、拓哉さんじゃなくて浩介だった。
「おはよう。なんでいるんだ?」
「ちょっと言いたいことあってさ。聞いてくれよ」
そう言って、浩介は寄りかかっていたフェンスから体を離した。
本来なら朝練をしている時間だろうし、よほどのことなんだろう。
「何?」
「あのさ、昨日からずっと思ってたんだけど…。俺、隆夫に惚れたみたい。男同士とかそんなのわかってるけどさ、山田隆夫じゃなきゃだめなんだよ。返事は後でいいから。じゃあな」
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