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俺が言った瞬間、ほとんど全員から不満の声が漏れる。
真実を高橋から聞く前にこいつらを動かすわけにはいかない。
俺と同じくらいこいつらが仲間の報復をしたいのはわかるが、相手の挑発に乗るのはまだ早い。
「みんな、悪いけどとりあえず待っててよ。うちの大将にだって考えがあるからさ。総長が間違ってたことなんて一度もないでしょ? みんなの力が必要になったら絶対連絡するからさ」
言葉足らずな俺の代わりに不死原がそう言ってくれて、しぶしぶながらみんな納得してくれた。
「すまない。じゃあ、行ってくる。不死原、隆夫に今日の昼は無理ってメールしてくれ」
「はいはい。メールの打ち方くらい覚えてよねって」
別にメールが打てないわけじゃない。面倒なだけだ。電話をしてもいいが、今の時間は三時間目の授業の真っ最中だから、出られないだろう。
不死原が隆夫にメールしたのを確認して、俺達は学校を後にした。
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