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佐藤が怪訝そうな顔で問う。
なんだか嫌な予感がする…。
「木村は仲間想いの男だ…。隆夫ならわかるだろ? その仲間がリンチになって入院することになったんだ…」
「報復しに行くってことか?」
「おそらく…不死原と二人だけで行くんだろうな…」
危険な相手のところにたった二人だけで…。
「拓哉は強いから大丈夫だろ?」
不安になって縋るように空を見つめてしまう。
胸騒ぎが止まらない。
「相手はデビルっていうヤバイ連中だ。木村や不死原は素手で戦うが、おそらく相手は鉄パイプや木刀用意して待ってんだろうよ」
「嘘だろ?! それが本当なら今すぐ止めなきゃ!!」
慌てて拓哉に電話するが、電源を切ってるらしくて繋がらない。
「山田、落ち着け! あの人は律儀だから今病院にいるなら電源切ってるだろ!」
「屋上! どこの病院かわかんなきゃ…」
「隆夫、待てよ!! 俺らが行っても何もできないって…」
いてもたってもいられなくて、俺は浩介や田中の制止の言葉を振り切って、屋上に走った……。
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