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不死原が物騒なことを言う。
いつもなら諌めるところだが今回は俺も同じ気持ちだ。
「奴らは港の廃倉庫にいます…。気をつけてください…」
「雑魚の集まりに俺らが負けるわけないじゃん。高橋は早く寝て怪我治して元気になることに専念しなよ」
「心配すんな。俺達は負けないから」
俺と不死原はそう言って病室を出た。
すろと、高橋の妹(10歳前後)が俺達の傍に寄ってくる。
この容姿に普通はびびって誰も近づいてこないから、高橋の妹は珍しいタイプだ。
「あの…木村さんですよね?」
怖くないわけではなさそうだ。
少し肩をすくめている。
俺は高橋の妹にコクリと頷いた。
「絶対お兄ちゃんの敵取ってきてください!! お兄ちゃん泣いてて…とっても苦しそうで…。それでも笑ったの。お兄ちゃんは平気だって…。本当はお兄ちゃんのために何かしたいのに…」
高橋の妹が泣いて俺に縋った。
小さな体を抱きしめながら思う。
絶対デビルの奴をここに連れてきて高橋に土下座させる。
「俺達がお兄ちゃんの敵討ってくるからね。女の子泣かせる奴は最低だってわからせてやんきゃね!」
不死原が笑いかけると、高橋の妹は俺から離れて、病室に入っていった。
高橋…必ず敵は討つからな…。
強く決心して、俺達は廃倉庫に急いだ。
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