序章

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「現場には既に第一陣として地元警察官と鑑識の連中が到着しているようです」 おや……?ではもう検視は終わっているという事でしょうか? 期待を込めたあなたの目にまた部下君が笑っています。 「一応、検視は簡単に済んでいると思います。それに出血の痕跡も殆どないそうです。包丁は刺さったままでしたし、血は着物が大分吸っていましたから……」 そう言ってまたヘラヘラ笑っています。 窓の景色に低く長い塀が加わりました。 「……ここみたいですね」 あなたはノロノロと白い手袋をはめました。 相変わらず部下君の車の停車は乱暴でしたので、また前回のように、いいえ前回より厳しく叱っておきました。
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