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少年は「なんだこいつ」といった表情からハッと思い出したように考えるそぶりをする。
鷹はそんな少年をみて物足りない‥と
自分で言うて言うのも何やけど、椎名がいたら「それ軽く犯罪だろ!」とか言われそうやな。やっぱツッコミがおらんとあかんなー。
この椎名の後輩もなんやいろいろ知ってるみたいやな。表情的に。
なんてことを考えていた。場違いな奴だ。
「………やっぱ、気にしてるんだ‥」
そんなこと知らない少年は一瞬、悲しそうな顔をした。しかしその表情は真剣なものになった。
「…水原さん、お願いなんですけど‥」
「なんや?」
「明日――――……」
「…………おもろそやな。ええで」
鷹はニヤリと笑い、少年の頭を撫でた。
「俺に任しときっ!」
「‥ありがとうございます」
少年はホッとしたような笑みを浮かべた。
「……あ、自己紹介がまだでした。僕は高宮 昂稀。拓人先輩とは少しの間だけ、バッテリーを組んでました」
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