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機械人形たちが走り出す。だが久魅那はその場に佇むだけ。
先頭を走る剣を持つ機械人形が大振りに剣を薙ぐ。しかし、剣が触れる直前に、久魅那は跳び上がった。それは普通の人間には到底不可能な程の跳躍力。
軽々と機械人形よりも高い位置まで跳び、一度身体を前転させて落下速度を抑え、機械人形の左肩に乗る。
その久魅那を横に居たもう一体の機械人形が素手で掴もうと手を伸ばすが、それに気付いた久魅那はさらに高くジャンプして近くにある建物の屋根の上に降り立った。
機械人形たちが皆一同に久魅那を見上げる。
「見せてあげるわ。あたしの“守護なる力”を!」
久魅那は右手を広げて天へとかざし、高々と詠(うた)いだした。かつて出会った天使から受け取った“契約”の誓いとされる言霊(ことだま)を!
「舞えよ精霊。踊れよ運命。
天の使いはすぐ傍に。
光の力、魔を弾劾する十字星。
我が前に天上の門を見せよ!
天使との契約の下―――我、守護の天使なり!!」
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