第2話 守護なる天使

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 契約実行。  久魅那を含め周囲約三メートル圏内を包み込みように絶対不可侵防壁とされる光の繭が形成され、外からの攻撃は一切通じない状態になった。  そして魂に刻まれた天使との契約が発動。  着ていた服(下着も含む)は全て光の粒子へと変換され弾ける。このとき全裸になっているが、変身中は外からは見えないので久魅那は気にしなかった。  光の粒子が肩から股にかけて覆われ、粒子が再構成されて白いスク水となる。  次に、新たに光の粒子が空中で再構成され、白と青を基調とした鎧へとなりてそれぞれがパーツとしてあるべき位置へと飛ぶ。  それらは下から順にフット、レッグと次々に装着されていき、スカート、ボディー、ショルダー、アーム、バック、そしてヘッドギアを装着。  最後に、胸部パーツの中心に埋め込まれた、大きさは人間の手の平に納まる緑色の六角形の結晶体――超々高速度情報処理回路搭載半永久エネルギー発生宝石――ガーディアン・ハートが眩く輝く。  背中の機械の翼に浮力エネルギーを注ぎ白光させ、大きく広げて光の繭を開放した。  それは白き機械の鎧。左腰に片刃の大剣を携え、魔を滅ぼすため、憎悪の空より来たりし使者。  かつて出会った天使との“契約”にて手にした勇気の力。  天界金属ジルコハルオンで造られた戦闘用機械服、契約の天使鎧(ディアテーケ)を纏う守護なる天使。  無限の数を重ねて言い放ってきた台詞を甲冑兵士達へ向けて叫んだ。 「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ! 悪を倒せとあたしを呼ぶ!  月は東に日は西に! 悪あるところに正義あり!  聖なる光翼(つばさ)を飛翔(はばたか)せ、守護天使エリヤ、只今参上っ!!」  甲冑の兵士達に左手の人差し指を突きつけ、最後の一言を言い放つ。 「――貴方達の悪事、止めさせてもらいます♪」
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