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理髪店。
散髪屋。
まぁ呼び方なんてどうでもいい。
俺達2人はようやく散髪屋を探し出した。
自転車を停めて店の中に入ると、冷房が利いててヒンヤリ心地いい。
店の中を見渡してみると結構古いし、そんなに広くはない。
どうやら夫婦2人だけでこの店をやってるようだ。
主人は男性の頭を洗っていて、奥さんは子供の頭をバリカンで刈っている。
「いらっしゃい。お1人様こちらへどうぞ」と奥さんが1番左のイスに俺達を招く。
秋雄のヤツは待合室のイスに座り、既に半笑いだ。
俺は1番左のイスに座り、正面の大きな鏡を見ると、強張っている自分の顔に気付きハッとする。
主人が俺の後ろに立ち、濡れダオルで俺の髪を濡らしながら
「今日はどのようにしますか?」と聞いてきた。
くそっ、何で俺がこんな事に。
あそこで辞めていれば良かった…
最近、俺達の周りでは罰ゲームが流行っている。
最初の方の罰ゲームはジュースを奢るとか可愛いものだったが、その程度の罰ゲームを何回かすると免疫が出来るのか、面白くなくなってきて徐々に罰ゲームの重さをエスカレートさせていった。
そして昨日の帰り道に事件は起きた…
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