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敗者決定
~昨日の帰り道~
「暑すぎ!なぁ、ジュースでも飲もうぜ」と秋雄が制服の第1ボタンを外しながら言うと
「じゃあさ、速飲み競争しねぇ?罰ゲーム有りで」と佐藤がズボンから財布を取り出しながら言った。
俺は少し考えて
「罰ゲームは“全員のジュース代を払う”でいいんじゃない?」と提案するが、佐藤がムッとした表情で
「それつまらねぇよ」と言った。
すかさず秋雄が
「じゃあ負けたらすぐに電話で好きなヤツに告るってのは?」とニヤけながら言うと
「いいね~。面白そうだな!それでOK」と勝手に佐藤が決定を下した。
俺は嫌だったが3人で多数決をすれば2人が手を挙げれば決まるわけだし、俺1人であがいてもしょうがない。
俺達3人は自動販売機で同じジュースを買った。
当然ジュースは炭酸だ。
ジュースのフタを開けて秋雄のスタートの合図を待つ。
秋雄は腕時計の秒針を見ながら
「そろそろいくよ。5秒前。4、3、2、1、スタート!!」と興奮気味に言うと、皆一斉に飲み始めた。
俺は横目でチラチラ2人をチェックしながら飲んでいると、なぜか2人はあまり苦しそうじゃない。
炭酸ジュースの速飲みは後半になるほど苦しいはずなのに…
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