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ドタドタドタッ
慌ただしく階段をおりる音が聞こえる。そこへ叫び声も追加された。
「遅刻ー!お母さん、何で起こしてくれなかったの?!」
「起こしに行ったわよ。でもあんた気持ち良さげにぐっすり寝てたから…」
朝食の支度が済んだ母は苦笑いで答える。
「あー‥夢みたから」
「何の?」
「猫…ほら、小5の頃拾った時の‥」
「あらまぁ、随分と懐かしい夢ね。ところで…夕陽‥」
ふと真顔になった母に夕陽は首を傾げ
「なに?」
「本当に遅刻するわよ」
「ワンッ」
「‥…ぁあーー!行ってきます!」
リッキーの鳴き声を合図に、慌てて玄関のドアを大きな音をたてて飛び出していった。
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