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今の時刻、8時半を切っている。これは完全に遅刻だ。
夕陽は走って学校へ向かう。運よく、学校が家に近いおかげでそんなに遅れることはなかった。
しかし遅刻は遅刻。
「ばれないようにそーっと入れば大丈夫だよね;授業はまだみたいだし」
夕陽は教室の扉をそっと開ける。
…カラカラ…
「じゃぁ自己紹介してくれ」
《お。山じぃだ。》
少し白く薄い髪に体育科の教師だと一目でわかるたくましい肉付きの体。
夕陽のクラスの担任、山崎だから生徒から親しみを込めて山じぃと呼ばれている。
「春日井遼…」
(クラス女:凄くカッコイイ…v)
どうやら転校生が来たらしい。自己紹介の真っ最中だった。
その転校生はどうやらモテ組、に入るだろう。クラス女子が騒ぎ立てる。
「今は春日井の自己紹介の時間だぞ。お前ら静かにしろー」
夕陽は気まずいと思いながらそろりと中へ入る。
「…」
「……」
(クラス男:無言だ…;)
「春日井…名前しか言ってないぞ?;」
山じぃは苦笑いをし、クラス全員はその様子をただまだかまだかと、遼と言われる転校生の言葉を待つ。
《早く何か言いなさいよ…》
夕陽もいつの間にかドアの前でじれったそうに後で見つる。
すると遼は口に手をあて、クラスの全員がその動きに注目する。
「ふあぁ‥」
遼は眠たそうに欠伸をした。
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