可笑しな戯曲

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 しかし、年下に弱いのは私の悪いくせだ。ほとんどが姉妹達のせいなのだが、憎むことは出来ない。  カラッとした日差しに憂欝を覚えながら、私は会社員と学生の多い電車に乗り込む。昨日とは違い、四人がけの席が取れた。幸運なことだ。  携帯を開き、ネットに接続。  モバイル化した情報社会万歳とかなんとか思いつつ、検索エンジンに知っているこの辺りの病院と寝たきりもしくは、植物人間と打ち込み、幾つか出てきた情報サイトの見出しで少しでも気になるところにアクセスしていく。  一駅で下り、(5分くらいなら座らない方が良いかもしれない)尚も調べる。が、効果はないどころか、ピンとも来ない。  流れ的には寝たきりとか、植物人間になっていると思ったのだが見当違いのようだ。 「っ!?」 「あ、すみません……」  携帯に注意が行き過ぎたためか、松葉杖をついて歩いている少女にぶつかってしまった。見たところ、左足に怪我をしているようだが、ギブスはない。 「すいませんでした。大丈夫ですか?」
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