可笑しな戯曲

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 少女は涙を溜めながら、「だいじょぶじゃねぇー……」と口に出した。 「えーと……」 「……ちょっと、肩を貸せ」  言われるがままに肩を貸す私。松葉杖も渡される。  この年代(制服からして中学生だと思う)だとあまり男に触られたくないものだと思っていたのだが、彼女は違うようだ。  下の妹なんか、「将来は女の人と結婚したい!」なんて問題発言をしていたのに大違いだと思わず苦笑する。 「それで、どこに行くのかな?」 「病院だ」 「あの……お昼ご飯代しか持ってないから慰謝料は出せないよ?」 「そっちに考えんな。学校行く前に診察してから行かねぇといけねぇんだよ」  なるほど納得。  道理で学生の反対方向を歩いているわけだ。 「しかし……ちょっと高いところから下りるだけで骨が折れるとは思わなかったぜ。しかも、初めての骨折なんだ。もう、この語呂的にTV番組作れそうじゃないか?」 「初めてのお使いのパクリじゃないか!」  とは私は言わなかった。
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