可笑しな戯曲

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     本日の実習もようやく終わり、時刻は五時。  ありすが家へと帰るため街中を歩いていると、前の方に松葉杖をついて歩いている女の子がいた。  帰宅ラッシュで雑多になっている人通り。避けるだけでも大変そうな女の子。  つまり。 (……とても、不安定)  ありすは心配した。  いつ倒れても可笑しくないと言うか、目を離した隙にもう倒れてしまっていた。 「……っ!? あの……だ、大丈夫ですか……?」  思わず駆け寄る。 「……うっ? おー、わりーな姉ちゃん」  立たせると、学生服が薄汚れているのがわかった。すでに何回も転んでいるのだろう。 「……え……えっ……」 「あー、帰るルートが同じなら肩を貸してくれないか?」  言われるがままに肩を貸すありす。松葉杖も頼まれたので、しっかりと持つ。 「ありがとな。しかし、世の中には優しい人がいるもんだ。今日の朝なんて軽くぶつかっただけで病院まで送ってくれた人がいたぜ」 「病院まで……?」 「おぅ! 一人称が私の線の細い眼鏡をかけた男性だったよ。これで今日二つ、日記に書くことが増えたぜ」 (日記を書いている人って珍しい……それより……) 「その人って……樹?」
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