~Battle~

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「普通にって…意味がわからんぞ!!」   「じゃぁ、手本みしてやるよ!」   そういい、ノウェは弾かれるように前へと走った!   ブブブッ!っと羽音を立てるスカラベの真下まで距離を詰め、片手に握られてる短剣を、スカラベの腹に突き刺した!   剣先が、スカラベの身体を貫通し、緑色の液体が飛び散る。   「ーっせい!!」   ノウェはそのままスカラベが刺さる短剣を振り下ろした!   遠心力で剣から抜け、スカラベの身体がバラバラに割れ、辺りに散乱した。     もう一度剣を振るい、スカラベの体液をおとしてから、ノウェはバックステップでこちらに戻ってきた。   「あんな感じだ。」   涼しい顔で言われる。   「いや、あんな感じって…。」   もちろん、頷けるはずがない。   そもそも、この現実かゲームかの区別がつかないこの世界で剣を振るえる精神が、マギには理解できなかった。   「まぁ、やれば馴れる!さぁ、勇者よ!!勇ましく生きろ!!」   そう言われ、マギはノウェに強く背中を押され、前に飛び出した。   「うわっ!ちょ!!」   崩れた体勢を元に戻し、意を決して目の前のスカラベに木刀を構えた。   「それぐらいの敵なら先手をとればどうってことないさ!俺は見てるな!」   後ろからのノウェの声に、マギは振り向く事なく、木刀を握る力を強めた。
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