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キチキチと音を立てて、背中の甲殻を広げた。
刹那、薄い羽根を広げ、空中へと舞った!
「うわっ!?跳んだ!?」
そして、緑色に輝く身体が勢いよく突っ込んできた!
「ッ!!」
マギは反射的に構えていた木刀を目の前に構え、木刀で受け止める!!
バキィッ!!
と大きな音がし、手にビリビリと衝撃がはしる。
受け止められた衝撃を下へと受け流すと、スカラベは地面に着地した。
すかさず、マギは距離をとる。
「……ッテェ!!」
右手がジンジンと痛む…。
「お前…あの木刀の細い部分で受け止めるって……逆にスゲェよ…。」
「感心してねぇでたすけろよ!!これ、ゲームじゃねぇだろ!」
後ろのノウェに罵声を飛ばす。
「ほらほら、魔物から目を離さない。それに俺が手を出したら経験値が減るだろ?」
その言葉に、俺は苦虫を噛んだような気分になりながら、スカラベに目を戻した。
「ただし、アドバイスはしてやるよ。魔物には必ずと言っていいほど弱点があるもんだ。そいつの場合、堅い甲殻の下の腹部だ。」
「…腹部ぅ?」
ノウェの言葉に、頭を働かせた。
甲殻に覆われた身体…腹部をうまく攻撃する方法…。
マギは再び木刀を強く握りしめた。
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