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「マギ!すぐに立て!追尾の攻撃が来る!!」
その言葉に、マギは顔を上げる。
巨大な影が、すぐ目の前でマギを押し潰そうとしていた。
「ーッ!!」
考えるよりも先に体が動いた。
手にした木刀をその場の地面に突き刺し、その場から転がりながら回避した。
ギキュュュュッ!?
けたましい断末魔に振り向くと、マギにのしかかろうとしていたイモムシは、その場の地面に刺されていた木刀が、身体を貫通し、体液を撒き散らしながら悶えていた。
非常にグロテスクな光景だった。
しかし、休む暇は無かった。
もう一匹のワームがマギに滑車のように勢いよく突進して来ていた。
「させるかッ!!スタン!!」
ノウェがワームに向かい手をかざしながら叫ぶと、細い稲妻のような矢が射られ、ワームに命中した。
その瞬間、矢から破裂したかのように電気が溢れ、ワームの動きを止めた。
「な、なんだよ今のっ!?」
「スキルだよっ!説明は後だ!お前は木刀を取りに行けっ!!」
その言葉にハッとなり気づく。
既に悶えていたワームからは、木刀が抜け落ち、こちらに向け攻撃体勢をとっていた。
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