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木刀を握る指に力を引き締め、その黄色く光る触角目掛けて横切りをした。
ーーパァァン!!
弾けるような音と共に、触角を打たれたワームの身体はプルプルと震えだし、身体全体が白く点滅し始めた。
「マギ!!離れろっ!」
何処からか響いたノウェの声に、反射的に飛び退いた。
次の瞬間、ワームの身体が頭部から膨れ上がり、身体全体が倍に膨れ上がった刹那。
ーーパァァァァン!!
「うわっ!?」
音と共にワームの身体が、風船のように破裂した。
辺りに、ワームの残骸が、生々しく散乱した。
「……きもちわりぃ……。」
ーーピギュ!?
ーーパァァァァン!!
同音に後ろを振り向くと、残っていたワームは二匹とも残骸として地面に拡散していた。
辺りに、虫を潰した時の不快な臭いが漂う。
「終わったぞ~。」
太刀を背中の鞘に入れながら、ノウェがこちらに帰ってきた。
「一人でやったのか!?」
「ん?あぁ。あれくらいならいくら束になろうと10秒だわ。」
そう言いノウェはニヒヒと笑う。
いくらレベル差があるとはいえ、このリアルと変わらぬ世界であの怪物を…しかも2匹同時に瞬殺…
ノウェ……お前…
「廃人だな……」
「ん?なんか言ったか?」
とぼけた顔のノウェに「何でもない。」と言いながら、俺は木刀を腰に戻した。
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