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真っ白な視界が、消え、目に映った光景は、最初に来た渋谷の駅前だった。
地面に足が付き、浮遊感がなくなった。
相変わらず、渋谷の町並みに似合わぬ滑稽な服装の人だかりが、周囲を行き来する。
「ここから駅でホームの切符を買って、改札口に通せば、自分のホームに帰れる。そのあとは、ゲートからログアウトを選べば、晴れてゲーム終了だ。」
ノウェの説明を受けながら、駅の中に入り、購買機の順番を待った。
自分の番になり、購買機の前に立ち、現実世界と同じ要領で、【ホーム】の切符を買い、直ぐさま列から離れ、後から来たノウェと合流した。
「んじゃ、また後でだな。パーティーはそれぞれホームに戻れば自然と解散になるから。」
そう言い、ノウェは先に改札口に切符を入れた。
改札口の奥に、同じようにゲートが開く。
「じゃ、飯食い終わったらメールするよ。」
「あぁ、わかった。」
お互い挨拶を交わし、ノウェは先にゲートに消えていった。
……さて、俺も行くか。
同じように切符を通す。
目の前に淡い光を放つゲートが現れ、一瞬目を細めた。
「8時か…そんなに時間経ったかな…」
そんな事を呟きながら、マギはゲートの中へと消えていった。
~Adventure~完
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