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ーー地面に足が着く。
目を開けると、あの渋谷の世界だった。
時間帯は夜のはずなのに、渋谷の世界は変わらずに昼の光で彩られていた。最初にログインした時よりPCの数が多く、装備の色彩がより取りだった。
中にはマギのように初期装備でいる人がおり、共感を抱き注目した。
キャラメル Level.38
騙された気分だ……
目を反らし、注目カーソルを外した。
「………こんなとこで楓がみつかるのか…。」
この人混みの中、俺を捜し当てる事が可能だろうか?
とりあえず、駅近くのモアイ像で待てと言われたが…
同じように待ち合わせをしているのであろう、PCも、モアイ像の付近でたむろっている。
みな、武器、装備の見栄えがよい。
ネットでこんなに周囲の目を気にしたのは初めてである。
はぁ。と小さく溜め息をつき、空を見上げた。
「お兄ちゃん。」
その言葉に、マギは過敏に反応した。
声の方を向く。
髪は桃色のポニーテール
身長は130前後…といった所か。
背中に背負う身長よりも大きな大斧が目立つ。
…俺じゃないか。
視線をまた上に戻す。
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