~Player up~

2/13
前へ
/284ページ
次へ
    ーー地面に足が着く。   目を開けると、あの渋谷の世界だった。   時間帯は夜のはずなのに、渋谷の世界は変わらずに昼の光で彩られていた。最初にログインした時よりPCの数が多く、装備の色彩がより取りだった。   中にはマギのように初期装備でいる人がおり、共感を抱き注目した。      キャラメル Level.38     騙された気分だ……   目を反らし、注目カーソルを外した。   「………こんなとこで楓がみつかるのか…。」   この人混みの中、俺を捜し当てる事が可能だろうか?   とりあえず、駅近くのモアイ像で待てと言われたが…   同じように待ち合わせをしているのであろう、PCも、モアイ像の付近でたむろっている。   みな、武器、装備の見栄えがよい。   ネットでこんなに周囲の目を気にしたのは初めてである。     はぁ。と小さく溜め息をつき、空を見上げた。   「お兄ちゃん。」   その言葉に、マギは過敏に反応した。   声の方を向く。   髪は桃色のポニーテール 身長は130前後…といった所か。 背中に背負う身長よりも大きな大斧が目立つ。     …俺じゃないか。     視線をまた上に戻す。  
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3026人が本棚に入れています
本棚に追加