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同時に、マギの携帯の着信が響く。
【パーティーの誘いを受けています。】
内容; 未記入
開くと、パーティーリーダーに【楓】と表示されていた。
早いな…
マギはそのままOKを押した。
「ありがとお兄ちゃん♪」
その楓の言葉を合図にしたかのように、俺達は携帯をしまった。
「じゃ、とりあえずデパ地下行こ!装備買わなきゃね♪」
それだけ言い、先に歩きだす。
「なっ!?ち、ちょっと待てよ!!」
ん?とこちらに振り向く。
「デパ地下って…てか、俺…金無ぇぞ?」
「あぁ、大丈夫♪買うのはお兄ちゃんの装備で、お金は楓が出すから♪」
そう言われ、そのまま左手を捕まれる。
「な!?お、おい!!」
「早く行くよお兄ちゃん♪」
そのまま、身長130ほどの少女に引っ張られ、渋谷の人混みを翔ける。
少女の手の感触に、マギは馴れずにいた。
これが現実でない。ゲームだとはわかっているのだが…
その現実世界と区別がつかないような世界で、意識しない方がおかしいだろう。
たとえプレイヤーが妹でも。
PCはまったく別物なんだから…
しかし、先ほどから妙だ…。
駅の人混みは確実に走る俺達を避けて道を作ってくれている。
その度に、すれ違う人達の呟きが、俺には気になった。
【紅眼の処刑人】と………。
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