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勿論日本……あるいは、世界の何処かには真っ黒な森があるのかもしれない。
(……だが、重要なのはそんな事じゃない)
大和根が考えていた事は、ここが何処であれ重要なのは帰れるかどうかだという一点だった。
携帯も繋がらない世界の何処にあるかもわからない漆黒の森から帰れるかどうかだ。
大和根も物理学者として、多世界解釈やワームホールによる別世界を夢想しない訳ではなかった。そういう意味では、大和根は異世界であって欲しいとさえ思っていた。
(もしこれがイカれた女の狂言に付き合わされているだけだったら……)
そちらの可能性の方が大和根には遥かに恐ろしかった。
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