その二

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大和根は部屋の床にあちこち山積みにされている何語かわからない言語が書かれた表紙の本をよけ、隅に置いてある小さな木製の丸椅子とテーブルを引き寄せ窓際へ寄せる。 「じゃあ、はじめるか」 「うむ!!うむ!!」 部屋は木製のロッジのようで、部屋全体を甘くほんの少し苦みのある独特の匂いが満たしている。 どうやらこの木特有の匂いらしい。 「早速だが、物体が落ちるのは何故か知ってるよな?」 「うむ!!この世界に存在する物には全て内在する目的があるからじゃ。 物体が落ちるのは、物体に内在する目的がこの世界の中心に行く事だからじゃ」 「それはアリストテレスの目的因の事か? いつの時代の話だ」 「アリ……誰じゃ?」 「アリストテレスを知らないなら、何でそう考えたんだ?」 「儂ら魔女界における偉大なる魔女パプポピペプム・パプパシロの魔法思想からじゃ」 「……魔女?」
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