その二

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黒き森に住む魔女……そんなフレーズがふいに大和根の頭をよぎった。 ここが何処であれもうしばらくは目の前の自称魔女に話を合わせた方が良い。 「この世界は火・空気・水・土の四大からなり、これらの対立する性質の組み合わせからなるのじゃ」 「アリストテレスの考え方に近いな。 えぇと……俺の世界ではそうは考えられてない」 「ほぅ。ではどう考えられておるのじゃ?」 「あ~。え~っと電子とか陽子ってわかるか?」 「デンシ?ヨーシ?」 ファフが不思議そうに大和根の言葉を繰り返す。 「あぁ~。その話は今は良い。今は物が落ちる理由を話そう。ずばり、重力が働くからだ」 「ジューリョク?」 「あぁ、そうだ。ジューリョクだ」
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