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僕はそのまま彼女を腕に抱き、海沿いの道へと出る。歩きながら、前を見て語り出すように彼女に話し掛けた。
「…僕にはね、血の繋がらない兄さんがいたんだ。僕が11の時に母が再婚して…お互い連れ子。だから、性格も外見も全然違った。…その時は再婚だとか連れ子だとか…珍しくて、僕は皆からいじめられてた。…それでも兄さんは僕を庇ってくれたし、いつも優しく接してくれた。僕にとって兄さんは自慢になった…。」
僕が顔を伏せると、彼女は短く鳴いた。
「……兄さんはね、死んだんだ。」
「僕のせいで、…殺された。」
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