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夜になると、もう知らない街にまで来ていた。
人も少ない。
路面に溜まった水を飲んでいると、一人の人間が私を見ていた。
…目が、合った。
みんな同じ。
人間なんて、みんな同じ。
そう思っていた。
そう、思っていたのに…
その人間は他の人間と違ってみえた。気のせいだと思い込んだのに、私はいつの間にか何度もそこを訪れてるようになっていた。
何度か人とすれ違うと、あの時の人間を見つけることが出来た。
言葉を交わす事も、手を触れる事もない。
ただ、お互い目を合わすだけ。
私は恐かった。
この人も『あの人』と『同じ』だったらと。
だけど、もう一度信じてみたかったのかも知れない。…人間を。
──────…
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