最終章

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お父さん、お父さん!!! 向日葵はアイスを口に入れながら、道を走る。 「……………え?」 『―向日葵』 「お父…さん!?」 『どうしたんだ、アイス担いで走って…』 「う…ああ……」 涙が溢れる。 『泣くなよ…父さんまで悲しくなるぞ』 「アイス……」 『…え?』 「アイス、無くなっちゃうの………」 『………知ってる』 「な、なんで!?」 『父さんはなんでも知ってるんだ…それ位知ってるさ』 「う…うわああああん!!」 『ほらほら泣くな…』 「お父、さん…の…思い出が…ひっく」 『……泣くな。アイス位で』 「お父さ、ん…………」 『アイスなんか無くたって、父さんとの思い出は消えない』 「………お父さん……」 『父さん、もう行くけど…………最後にアイス、一緒に食べていくよ』 「うわあああああああん!」 『泣くなって……じゃあな』 「…お父さんとの思い出…大事にする……うえっ…」 向日葵は駄菓子屋から見える道の真ん中で、 泣きながら残り少ないアイスを食べた。
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