一章

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今は―夏。 強い日差しが木の間から差し込む。 その日差しに負けず劣らずセミが鳴いている。 「―…あっつー…」 田舎の高校に通う、 土井向日葵、約17才。 学校帰りに、駄菓子屋の玄関の日陰で一休みしていた。 「綾花ーアイスまだー?」 「……ふう、よいしょっ。ほら買ってきたよ」 「有難う!」 「向日葵って本当にアイス好きだねぇ…しかも、ここの店の」 「だって他の、高いだけであんまり美味しくないじゃん」 向日葵は買ってきたアイスをしゃくしゃく食べている。 「変わってるわねー。時代はハーゲンダッツとかよ?」 「なんそれ(アイスんまー)」 「…ま、いいわ」 「冷たくておいひー」  
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