一章

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「たっだいまー」 「お帰りー…ってまたそのアイス食ってんのかよ」 「うるさいわよ我が弟」 「本当に好きだなー」 「いいじゃない。私の勝手なんだから…お母さんは?」 「買い物行った」 「把握」 向日葵は急いで 仏壇の前に座る。 「…ね、お父さん。はーげんだっつって言うアイス分かる?今日綾花とアイス食べてたら、今の時代ははーげんだっつって言うアイスが良いんだって。なんか高そうだよね」 仏壇にある線香の煙が揺れる。 「でも私、やっぱりあのアイスが一番好きなんだー…お父さんがいつも買ってきてくれたアイスが」 「私が毎日我儘言う所偽で、お父さん……」 線香の煙の揺れが止まった。 「ごめんね、お父さん……聞こえてるかな?」 「姉ちゃん、何一人で喋ってんの?すげぇ怪しい」 「さっきからうるさいわよ弟」 「だって怪しいから」 「そういうのは気にしなーい」  
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